6/6 東京武道館で開催されたスティング来日コンサート そこで購入した来日記念盤CDを翌日ダイナミックオーディオの2フロア 2組のソナス・ファベール社と1組のフランコ・セルブリンで再生いただいた。
平日の午前中はダイナの試聴の狙い目に思います。試聴にくる人は極めて少ない時間帯で、店員さんも電話対応等に追われないので、ゆったり試聴できました。
まずは、故フランコ・セルブリンがソナス・ファベール社から去って立ち上げたブランド
文字通りのフランコ・セルブリン社のトップモデル クテマで。
4ウェイ5スピーカーのフロア型スピーカーで、サテンシカモア突き板仕上げ。
特注でピアノブラックも用意する。価格は4,725,000円
一度川又ルームで女性がこれを試聴していたときに横で聴いた以来。その女性はたしかブルックナーで聴かれていた。
センターでまじまじと聞くのは初めてとなる。
現用のガルネリ・オマージュ同様にフロントに半円型に張られたストリングスが即座に弦楽器をイメージさせる。
全体のフォルムはまるで大事な指輪を仕舞うアールヌーボー時代の家具のようでもあり、異質能力と崇高な使命を与えられた道具であることが外観から直感される。
フロントバッフルは極端に細長く、後方に向かって急速に広がるフォルム。
このような軽快な、アールヌーボーを想起させる形はイタリアの天才以外には思いつくまい。
外観の美しさも常用スピーカーの大事なポイントはガルネリ・オマージュに10年以上しても飽きないことからもとても重要なポイントと思う。自作では無理だろう。
実物を目の前にするとかなりコンパクトな印象である。
片チャンネル55kgという現代においては重量級とは言いがたいスピーカーであり、
トップパネルとボトムパネルは鏡面仕上げのアルミ製であり、トップにはフランコのサインが小さく入る。ボトムにはスパイクの四ツ足。
この辺はかつて創業したソナス・フェベール社の最新トップモデルらがアルミを積極的に採用しているのと共通して興味深い。
構成らはこちらのサイトに詳しかったので引用させていただきます。
上から見て優美な弧を描く側面には
ストリングスが張られたスリットが二つ。
ここから低域が流れ出てくる。
低域を担当するウーファーは
なんとエンクロージャー内中央にあり、
しかも、後ろ向きにマウントされている。
低音は緩やかな弧を描くスピーカー後面の
明るい艶のある板の裏面に当たり、
反射して、
側面のスリットからスムーズに放射される。
低域による、中高域の混濁を回避するための
卓越のアイデアである。
また、
上記の大きなスリット以外にも前面、後面に
小さく細いスリットが設けられ、
細やかな音のチューンがあるようだ。
さらに、
ユニットの構成を見れば、
4ウェイ5スピーカーという意外に大規模なもの。
ソフトドーム、ペーパーコーン、メタルコーンと
コーンの素材を
様々な材質を取り混ぜているのも興味深い。
材質の統一感をあえて排除しているのだろう。
音質的な配慮には違いないが、
理詰めの選択でもないように感じる。
慎重な試聴と鋭利なひらめきが
選び取った最終の結論なのだろう。
リアにある、
シンプルなシングルワイヤリングの
バインディングポストをながめつつ、
公称スペックを詳細に吟味すれば、
実はメカニカルには
かなり複雑な構成のスピーカーであることに
誰しも気付くだろう。
フォルム、構造、配置、材質、
全てが
現代のハイエンドスピーカーの常識から
微妙にずれていながら、
いささかのほころびもなく
見事なひとまとまりとして完結している
音質
本来は弦楽らクラシックが向いているのかもしれないが、古今東西 クラシックからロック 民族音楽まで。
レコード CDのみならずSACD ハイレゾらにも積極的な立場からあえて苦手かもしれないスティングの最新ロックアルバムで.
スティングの来日記念盤CDにはオリジナルにはない6曲のライブ音源が収録されていて、ライブ音源の割には音質がいい。
スタジオ録音とライブ録音 双方をかけて前日の武道館ライブの熱気らを再現できるか。
楽器の質感はどうか?
低音楽器に音に芯とエッジが薄い。
遅れて聞こえるようなイメージ。
ああ~合わなかった。
アンプはゴールドムンドのセパレートだったから特に問題はないはずだ。
でも長く聴いているうちに独特の美音に飲み込まれる。
ガルネリ・オマージュでも言われたソースを選ぶスピーカーであろうか。
いやウーハー(サブウーハー帯域のユニット)がサイドやリア ボトムに付いていて、フロントバッフルにないスピーカー共通の傾向に思います。
得意はそれほど古くないクラシック録音全般、現代の女性ジャズボーカルの新録音あたりが最上位で鳴りそうだ。
他方、ロックドラムらパルシブさが要求されるソースを鳴らそうとすると相当苦労させられることを覚悟で、ジャンルを絞って利用か、別の利点に選択的注意なスピーカーと聴きました。
この辺まで万能に鳴らしたい向きはすでに日記にしたソナス・ファベール社トラディションシリーズの方をお勧めしたい。
PS
帰宅して入り口ESOTERIC Grandioso P1 /D1 UTC LS56マッチングトランス付ATT パワーアンプ テレフンケンEL156プッシュプルモノラルアンプでこのアルバムを。
手前味噌ながら、クテマよりも全体が前に出るスティングバンド!
川又ルームで聴いたアマティーを頂点とするガルネリ・トラディションらには劣るかもしれないが、ロックをガルネリ・オマージュでよくもここまで鳴るようになったとあらためて微笑んだ。
ホーンスピーカーは音数でガルネリ・オマージュ以降の現代スピーカーとは明らかな差。
Western ElectricカールホーンやALTEC A7らアメリカンヴィンテージでは出ない音数
位相が回ったりして出ないホーンや昭和真四角箱スピーカーとは違う三次元サウンドステージらも明らかな違いだ。