アース接続についてのESOTERICESOTERICが考える電源事情の日記に疑問になるレスをいただいたので、基礎から調べ直して復習します。
以下間違いがあればご指摘くだされば幸いです。
まずオーディオ機器にアースすることのメリットは以下のようです。
弱電用アース（電子レンジ、洗濯機、エアコン、オーディオ機器等に設置）
・感電の防止
電気・電子機器の筐体をアースすることで、機器内部で漏電や異常電流が
発生した場合、電流を大地に逃がして感電を防止する。
・電気・電子機器の動作安定化
電気・電子機器の筐体をアースすることで、外来電磁波や静電気による
ノイズの影響を軽減し機器の動作を安定化する。
対する強電用アース（家庭用AC100V/200V電源ラインに設置）
・感電の防止
送電側の高圧が柱上トランスの絶縁不良により低圧（AC100V/200V）側へ
洩れる等、異常高圧電流が発生時に電位の上昇を抑制し感電を防止する。
・雷害の防止
送電線に落雷したとき、雷の電流を大地に逃がして機器の破損や火災を防止
する。
複数のオーディオ使いこなし本でもアコースティックリバイブでも異口同音なことがアースループの回避ですね。
アースループについてわかりやすい解説と図を見つけたので引用させていただきます。
弱電用のアースを取っている例ですが、各オーディオ機器の電源アースやRCAケーブルにより、橙色で示すアース配線のループが出来ていることが分かりますね。
折角、弱電用アースを設置して、各オーディオ機器を接続することでノイズを低減しようとしても、広大な面積のループにより却ってノイズが増えることが懸念されます。
弱電用アースを一切繋がない場合も要注意。
弱電用アースを設置していないのでアースのループは起きないだろうと、電源プラグ
のアース(緑)配線を全て接続したままにしていました。
ところが、電源コンセントの内部配線で2つの差込口は繋がっていて、見事にCD-P
とプリアンプ、電源コンセント間でループが出来ていました。
そこでどうすべきかですが、付属の電源ケーブルが２Pなら問題ないですが、３Pならアース端子が機器に接続されているかテスターで調べるか、機器ACインレットで切り離されている場合もあるのでメーカーに確認する。
（特に輸入品に電源アースの導通があるものが少なくないようです）
メーカーに３P電源ケーブルのアース端子が機器に繋がっている場合、切り離しが可能か問い合わせる。
同じ意味で電源ケーブルを交換する場合にはオリジナルと交換予定のケーブルのアースがどうなっているのか調べる必要がありますね。
すべての機器の電源アースは接続しないようにした上で、あくまでもアースに接続されるのは１台のみとして１点アースとして下さい。
ESOTERICのようにシグナルアース端子があればそこに。
なければ導通する筐体ネジのどちらかにアース線を接続。
オーディオシステムはラインケーブル、スピーカーケーブルのコールド側（XLRならば１番グラウンド）を通じてアースとして全て結ばれるためです。
例外としては、光ケーブルやライントランスを使用した場合のみアースは切り離されますので、その場合は２台アースを落として頂く必要があります。
いずれかわからなければ、テスターで機器間のシャーシ間に導通があるか調べれば間違いなのでは。
ではトランスポートとDACが分かれている場合のアース接続、さらにモノラルDACのESOTERIC Grandioso D1の場合はどうすべきかESOTERICに尋ねてみました。
以下回答いただいた内容です。
Grandioso P1/D1のアースですが、P1（トランスポート）かD1（DAC）のどちらかといわれると、やはりデジタルとアナログ両方関わってくるD1のほうが効果（影響）はある
かと思います。
ただし、D1の場合ご質問の通りモノラルDACのため2筐体となっていますが、音質的に考えて片chだけというわけにはいきませんので、アースに落とす場合は2台のD1を落としていただくことになります。
接続方法としましては、二台のD1のアース端子からそれぞれグランドに落とす方法と、二台のD1のアース端子を接続したうえで、どちらか一台のD1のアース端子をグランドに落とす方法の二種類があります。
回路的にはどちらも同じにはなりますが、最後は音質かと思いますので可能であれば実際にお試しいただき、確認のうえ決めていただくしか無いかと思われます。
なお、P1/D1ともアース端子はシャーシアースで電源のアース端子とは直接接続されていませんので、グランドループが起きる可能性は低いものと思われます。
今回は関係ないとは思いますが他メーカーの製品でACインレットがアースに落ちている機器とグランド接続を共有する（共締めする）場合は、グランドループの影響が出る可能がございますのでご注意ください。