2005年、ピアノの名ブランドのベーゼンドルファー社から独立したエンジニアが立ち上げたスピーカーメーカー「ブロードマン」
その名前の由来は同社公式サイトによると、19世紀のウィーンで、Joseph Brodmann(ヨーゼフ・ブロッドマン)は優れたピアノ製造とピアノサウンドボードの更なる展開で賞賛を得ました。
Brodmann工房の友人や顧客の中にはルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベンやカール・マリア・フォン・ウェーバーも含まれています。
Ignaz Bösendorfer(イグナーツ・ベーゼンドルファー)はJosephよりピアノ製造の高尚な技術を学び、最も有名な教え子となりました。
さて日本の公式サイトにもない上から2番目のJB175 680万円pair
両サイドの背の高い方です。
こちらの内側の背の低いタイプやベーゼンドルファー名義だったころのものは聴いたことがありますが、ほぼトップエンドクラスの同社のものは初めてです。
総合カタログの2番目の高さのものです。
プレーヤーはESOTERICのSACD/CDプレーヤー ESOTERIC Grandioso K1 200万円
アンプは奇才エンジニアパラビッチーニ氏が主宰する真空管アンプのEAR社
プリアンプはEAR912 198万に、パワーアンプEAR509マーク2(モノブロックペア) 189万。
ケーブルに目が行きまして、何とWestern Electric。非売品で、いろいろ試したら、このスピーカーに一番合ったのがウエスタンだったからと。
試聴し始めて驚いたのが、よくスピーカーの外側にまで音場が広がるなんて表現がありますが、これがはっきり、こんなに感じられたのは初めてだったからです。
以下は担当の林泰夫さんの構造の説明要旨です。自作スピーカーにも役立つ内容です。
一番の特徴はフロントに付いているユニットはツイーターのみ。
中低域ユニットは両サイドに付いています。
そのうちの1個はこのようなアクリル板?ガラス板?に装着されて向こう側にも音が抜けるような構造です。
ウーハーは13cmまでのサイズが適正で限度との主張で、小型モデルから大型モデルまですべてこの13cmウーハーで使用数が違うだけです。
低域は後ろの5mmのエンクロージャーの下から上まで開いたスリットから出るのも不思議な構造です。
前後に音の出るスピーカーは平面型から平面バッフル、後部にユニットが付いたモノなどいろいろありますが、左右に音の出るものは知り限り初めてです。
音質も独特なもので、スケールは極めて大きく、部屋の空気そのものを鳴らしてやろうという同社の目的がよくわかりました。
できるだけ広い、天井の高い部屋が望ましいそうです。
由来から得意なピアノのみならず、弦楽器も女性ボーカルも素晴らしい。
意地悪して、ミッシェル・ペトルチアーニのジャズ、さらにはレッドツェッペリン 天国への階段などもかけてみましたが、それなりにこなしてしまうマルチぶりはベーゼンドルファー時代にはあまり感じなかった点です。
極道オーディオ先生のようにオーディオのために何部屋でもあれば、一室にこれを置いて、その独特な左右に広大に広がる音場を感じてみたいと思いました。