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ケーブルの絶縁体と音質、寿命差

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以下はオーディオケーブル設計者から直接お聞きした内容です。
絶対に技術系も含めたオーディオ雑誌には書かれない内容が数多く含まれています。
公開のご許可も頂いております。
我々エンドユーザーにも参考になる情報ですので、抜粋、一部補足引用します。

しかし、この情報は弱電、強電も含めた、ケーブル絶縁体の基礎知識とされています。

これを正直に書きますと、世の中に売っている万単位のケーブルが売れなくなる項目となる情報でもありますので、雑誌は口が裂けても書けません、書きません、書いてあるのを見たことはありません。

通常の屋内配線に使われる(高級オーディオケーブルでも多いです)塩ビ(塩化ビニール)絶縁(PVCと略される)は文字通り、絶縁体に含まれる塩素によって導体が腐食し導通特性がいずれ劣化するとされます。

音質にはこの劣化以上に大きな問題があります。
ケーブルの導通特性を決める比誘電率が悪いという事です。

比誘電率とは判りやすく説明しますと電流を止める力のことで、この数値は低い方が導通特性に影響が出ません。

○比誘電率
ケーブルの設計において、比誘電率は最も重要な特性の一つです。比誘電率は、並行板コンデンサにおいて真空の場合の静電容量をCoとし、絶縁物をはさんだときの静電容量をCとすると、その比で定義されます。
          Es=(C/Co)
 別の言い方をすれば、真空(Es=I)に対してどの程度の分極が発生するか、その大小ということができます。絶縁材料によっては(例えばPVC)比誘電率が周波数によって変動するものもあり、また比誘電率の大小は信号の伝わる速さに影響するので、値が大きく周波数によって変動のある材料を使用するのは好ましくありません。

ちなみにテフロン(PFA)は2.2、ポリエチレン(PE)は2.4という数値ですが、塩ビ(PVC)は何と!6という倍以上の非常に高い(悪い)比誘電率になります(周波数によって多少変わります)。
なお最高の誘電率は空気で1.0とされていますね。

いろいろな意味で、界隈での電柱間の高圧電力を伝送する高圧電線や、放送局のアンテナまでのケーブルらの絶縁体はテフロンです。

一時期、この放送局のアンテナまでの高周波伝送用ケーブル、セミリジットケーブルをオーディオに使いました。

なお、東京タワーの送信アンテナ、今はスカイツリー?へのアンテナまでの伝送ケーブルの絶縁体はテフロンすら比誘電率が悪いと、空気絶縁と聞いています。

この比誘電率、実は導体の素材や純度などよりも遥かに導通特性に影響することは我々が商品チョイスで知っていて損はないでしょう。

自作派からは、PVCは半田付に手慣れていないとすぐに被覆が溶けてしまうのに対して、テフロンは熱に強く、安定、安全なハーネスがしやすいです。
昔組み立てたサンバレーのキットの配線ケーブルが安いPVC絶縁体であったりします。

このPVCの大問題は後程記します。

溶けて、線材が空気により触れやすくなれば、より線材表面から酸化して電気の流れるとされる表皮効果からは問題が出そうです。

アンプキットでも、この辺をご承知の故森川忠勇さんのオーディオ専科では、多少お値段が加算されるものの、このテフロン線を選べるようになっていた記憶です。
確か、ベルデンの航空機対応配線材だったと記憶しております。

世の中の恐ろしさは交換できない屋内配線材が塩ビ(PVC)であることです。
なぜならコストがはるかに安いからです。このPVCに対してポリエチレンは10倍近く、テフロンは100倍近くのコストがかかってしまいます。

原価率を下げるには絶縁体はPVCにしておくのが一番売り手にはありがたいことだからです。

PVCは元来、塩ビパイプのように硬い材料です。電線用に使用するには適していないので、樹脂の中に可塑剤と称される液体を入れて柔軟性を持たせますが、透明にするには特殊な配合となり無理があります。
一部には塩化ビニルの塩素が液体の可塑剤に溶け出し、導体と直接触れるので導体が変色してしまうような劣悪品もありますので避けています。


絶縁できて、電気が流れれば足りるというコスト最優先の屋内配線材と、経年劣化は許されない、安定的な音質命のオーディオケーブルとは絶縁体からして視点が違いますね。

交換しにくい屋内配線材こそ長期安定性が必要ですから、絶縁体としてはテフロンが相応しいはずです。
音楽室の分電盤まで、分電盤内、分電盤以降の屋内配線材の絶縁体は販売元のアコリバにも確認しました。導体の被覆絶縁体はテフロンと知って、これしかないと選びました。

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