引き続き2003年~2005年にかけてオーディオ店に寄せて書いたオーディオ日記より
魚拓内の保存には写真がだいぶ失われていてわかりにくい部分があります。
なお、当時のアンプやプレーヤーで今も使っているものはこの写真から2A3シングルアンプくらいです。
これとて中の回路もパーツは全部一新していて、同じものは一つもありません!
SP
1,ダイアトーンP610MB+ダイアトーン製指定箱
2,アコースティックラボ ボレロ
3,JORDAN JX92S(アルミコーン13センチシングル)
+ヒノオーディオ5リットル密閉箱
プリアンプ TU875
パワーアンプ TU8730
真空管は前段の6SN7はアメリカ製ゴールドエアロに(GE製?)300BはJJエレクトリック製に交換してあります。
力強い音が好きなのでパワーアンプのボリュームは全開です。これを絞ると、くすんだ、力のない、高域が伸びない音になってしまいましたので、プリは必須と思います。
力強い音になります。
近々TU875の12AU7及びTU8730の6SN7をRCAのものに変更する予定です。力強さとふくよかさが出てくれるかと期待しているのですが。
CDとMDはヘッドホーンプレーヤーです 最初SONYのWALKMANでしたが、ヘッドフォンのバッファーアンプが悪いのか、インピーダンス整合の問題か、音に力強さがなく、シャープとケンウッド(シャープ製)のものに変えたら満足するものとなりました。
また、TU875にはトーンコントロールがありません。寝るときのBGMで小さめな音で聞いているときとか、激しいロックを聴くときなどは低域を増強したくなります。
ヘッドホーンプレーヤーには大抵 ベース増幅スイッチがあるので、こんなとき便利です
メインシステムは理詰めで考え、また神経を張りつめてカット&トライで音決めしたものです。
寝室では一転、リラックスして音云々ではなく、音楽に浸れるシステムを目指しました 自宅ではこちらで聞く時間が実は長いです。
ボレロとP610は聴感上はワイドレンジ、JORDANは比較するとナローです。これらはSP切り替え機で切り替えます。ボレロの方がP610よりボトムが良く出ます。しかし、フォーカスが甘く、ウッドベースの弦鳴り、胴鳴りが出にくいものです。
P610ではこのあたりがはっきり聞こえます。ロックやJAZZのウッドベースやドラムのリズムに身を任せて聞きたいときは610にしています
他方ボレロはヨーロッパのスイス製です。同じヨーロッパといっても、別に使用しているスペンドールと違い、聴感上は高域は何処までも伸びているようなさわやかな音です
しかし、JBLのように前に音が飛んでくるものではありません。JBL小型システムではピアノの打楽器としての面を強く意識させますが、ボレロは弦楽器としての面も意識させてくれます。静かなJAZZトリオやAORなどはボレロで多く聞きます
JORDANはヒノオーディオで試聴して買いました。
これは見かけはアルミコーンで派手です。
しかし陶器製エンクロージャーのジョーダンのフラゴンを聞かれた方はイメージしていただけますが、決して高域など派手な音は一切しません。
聴感上のバランスはタンノイやスペンドールなどのイギリスのSPに多い、ピラミッドバランスのいぶし銀の落ち着いた音がします 前に前に音が飛んでくるJBLやアルテックとは対照的な鳴り方といってもいいかもしれません。
このような落ち着いた音は音自体を意識させないので、寝るときの子守歌代わりになったり、作業に没頭しながら、また疲労困憊したとき、精神状態がlowなときなどのBGMには重宝します。
SPが1つだけのメインとは違って、リラックスして音楽の種類、演奏のエネルギーが発散されるものが抑制されたものか、リスナーである私の体調や精神状態の具合によって、同じ音楽の聞こえ方も変わるものですから、適宜切り替えて楽しんでいます。
音楽やオーディオとは何か?
音楽はなくてはならないもの。心のサプリメントでもあり、食事の料理であり、気分、体調に合わせたお酒(ワイン、ビール、焼酎、ブランデーなどなど)のようなもの。
オーディオは食べ物でいえば牛肉等の素材に相当する音楽を、その時々でいかようにも好みの料理をして提供してくれる馴染みの店の名コックであったり、懐かしい味、安心させる味を提供してくれるお袋のようなもの。
したがって、検事の耳となって料理評論家か料理研究家が最高の味を吟味しているものではなく、弁護士の耳となって、体調、食欲、気分、環境に合わせて、欲しい料理をすっと出してくれるものでなければならない。
最後に・・・
なお、上記原稿執筆時には、事務所内のアドバンスHC1の前段をRCAにと書きました。これは、すっきり美人の300Bから2A3的はふくよかさを出したいといった目的からでした。
私の望む音としての結論としては失敗でした。私の好みである、実体感があるエネルギーある音の観点からは、何ともふわふわした実在感のない音になってしまって。
自宅寝室のエレキット8730+875も同様に、300B以外を全てRCAに、特に8730の前段の6SN7GTについては、気合いを入れてRCA JAN CRC5692の軍用高信頼管まで奢って。これも音の傾向は同じです。
結局わかっていたとはいえ、300Bアンプから2A3的な音を出すのは不可能が結論です
結局アドバンスHC1の方は上記のとおり、12AT7をテレフンケンに戻し、6DJ7をJAN アンペックス笛吹から、同じアンペックスの高信頼管である、PQマークのテクトロン測定器用のチェックものに落ち着きました。(もっとも笛吹で十分なアンペックスサウンドを味わえる)8730の前段はゴールドエアロのおそらくGEものに、875のライン部分のV3の12AU7をテレフンケンにして、いずれも固定されました。
個人的には10台以上の使用歴代真空管アンプを振り返ってみれば、アンペックスの利用が自然に多いです私の好みがこのアンペックスやテレフンケンとつくづく認識した次第です。
RCAが悪いのではありません。あくまで好みの問題です。
しかし、つくづく各種真空管ブランドには、一貫した音傾向があるんですねえ。またWE系とRCA系はもしかしたら、食べ合わせが悪いのではないか。1素子でありながら、不思議です。RCAは、近々届くパイオニアPE16+コイズミ無線の集成材36リットルバスレフ箱+2A3シングルに組み合わせる予定のキット屋SV3の増幅管としての利用を探ってみます。