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Channel: ゴルゴ平蔵のブログ
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サブウーハー位相調整 2004年ガルネリオマージュを現在の音楽室に移転させるまで

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引き続き2003年~2005年にかけてオーディオメーカーに寄せて書いたオーディオ日記より

魚拓内の保存には写真がだいぶ失われていてわかりにくい部分があります。


ソナス ガルネリ・オマージュを音楽室に移転させました。
イメージ 1

 ガルネリの上に乗っているのは、MuRata ES105スーパーツイーターとTAKET BAT1スーパーツイーターです。
 他にPIONEER PT-R9もありますが、20K 12dB/octで切っても、ガルネリとは相性が悪かったです。

ガルネリの15キロヘルツから落ち出す特性と双方ともよくマッチしています。両者をいろいろ試行錯誤させているところです。20KヘルツまでのCDでも影響があるのが何とも不思議です。詳細はまだまだですが、一聴にしてMurataよりもTAKETの方が柔らかく聞こえます。

 やはりMurataの方がチリチリと音がしていますので、鳴っていることがわかりますが、TAKETは齢を重ねた私の耳では単体では鳴っているかもよくわかりません。ただショップでのTAKETの試聴の際も定位が微妙に上がりますので、影響はしていることを気づかされます。

 TAKET20K~60Kと表示されていますが、-何dBで取ったのかもわかりません。特性表とトランジェント特性はきちんと表示してもらいたいところですね。MuRataは15K~100Kヘルツまで延びます。
 値段だけなら10万以上のMurataより4万のTAKETの方がいいとなりますが、そういうものでもないでしょう。どちらがいいかというと実際に聴かれて好みというより他はない感じがします。いずれもガルネリのニュアンスをどうこうするものではないにもかかわらず、下記のように楽器の聞こえ方が違ってくるというのも侮れません。

 個人的には、コンサートで前の席で聴いていてよくわかった、高域にアクセントのある諏訪内さんのハイフェッツも使用していたストラディバリウス ドルフィンの音色の厳しさはMurataの方がよく感じられるようには思います。エナジー感が強いようです。これは川久保賜紀のチャイコスフキー ヴァイオリン協奏曲で奏でられるストラディバリウス カテドアルでも同様です。

これが後ろの方の席で聴いている感じや広がり重視ならTAKETというような感じでしょうか。平面コンデンサーSPを彷彿させます。前後に音が出ているようですので。私よりも高域聴取能力が高い伴侶も、ギター弾きの弟も同じ感想でありました。

 長年ギターを弾いて、CM音楽等も作曲する弟は、皆目オーディオに興味もありませんが、倍音がよりよく感じられて、楽音のエッジが立つといった表現をしていました。個人的な好みでははっきり、くっきりとヴァイオリンの音色の違いを堪能したい立場からはMurataですが、TAKETの広がり感も捨てがたいです。

これは定在波 フラッターエコー 吸音特性をふまえて設計した音楽室に同様のシステムを移して測定したものです。完全なフラット化は無響室でもなければ不可能で、多少の凸凹は避けられませんが、イコライザーがフラットな状態でもほぼ合格点ともいえる特性が保たれています。
 和室のときのようにイコライザーはまったくいじらず、フラットの状況です。そのかわり位相は15度づつ綿密に調整しました。和室と異なり、位相が-120度で適合し、クロスは55ヘルツ(和室)から40ヘルツ(音楽室へ)へ、クロスオーバー特性も36dB/octから42dBに変化させています。
 部屋によってかくも低域特性は変わってしまうのですね。調整には約2時間を要しました。
 さらにサブウーハーは鳴っているかどうかはわからない状況です。部屋によって、かようにサブウーハーとの繋がりは違うのは部屋がいかに低域のふるまいを決定しているかの証左のようです。

スーパーツイーターとサブウーハーについて
 レンジが伸びていなければ楽音を十分聞き取れない、となると、上も下も限定される高品位のフルレンジがあれば音楽を堪能できることが説明が付きません。上下へ伸ばすにしてもサブウーハー、スーパーツイーターが本体の品位と同等か、それ以上でないとかえってない方がいい ということも少なからずあろうと思います。 

そういう意味で、たとえば共鳴させて伸ばしている低域を中心にした共鳴音が主体の低域表現といった機器からは量は聞こえても、私程度の駄耳では微妙な音色や太鼓系の皮の様子やチューニングが捉え切れません。

 本体のある帯域までは綺麗な直線であったのに、付加された機器からは線が滲んでしまっているような、肝心の音色が途中からピンボケしてしまうと言いますか。そういう機器は絶対に付加させない方がいいです。

 メインスピーカーとの兼ね合いからは、そのウーハーと同等か、それを上回る立ち上がり、立ち下がりの性能があるものがいいようです。その意味でMFB(モーションフィードバック)付の密閉型にはいいものがあるようです。

 サブウーハーなどをはずすとわかるが普段は感じさせないというのが付属機器の品位も高く、調整もセッティングも美味くいっている状態ではないかと思いますショップでもミリ単位でtaketを前後させていました。理屈的にも、下手にセッティングすると本体のTWとのクロスオーバー帯域で位相が逆となって音が相殺されかねないですよね。

 拙宅の20W程度の小出力のチューブアンプであればユニットを壊すほどの過大入力が送られることもないでしょうから、TAKETの内蔵保護ヒューズは殺してしまおうと思います(自己責任です)。マイクロSPに保護回路の代わりに入っている電球等も含めて、このヒューズなども音のエナジーを削いでいるようです。

傾斜天井です。

 梁の部分もむき出しにして天井高を上げています。最高高部分は約5メートルになります。天井ファンを回さないと、暖房の熱が上に溜まってしまいます。
 無線と実験でルーム測定をした折、天井板の音楽室の壁等によく使われる有孔板の穴がヘルムホルツの共鳴で250ヘルツ付近のみ吸音していることがわかりました。これではきれいな残響特性が得られません。
 そこでクロスで天井の板穴を80%塞いでしまいました。小さな声でもよくわかる話易い部屋となったようです。自身の過去体験ですけど、きちんとしたライブハウスでは、ドラム演奏場所の上には同じく音響板が設置されていることが多いです。

 これがないと、床ー天井間のフラッターエコーだと思われますが、自身のドラム音が自分に突き刺さるように響いて、演奏しにくくなります。聴衆のみならず、奏者にとってもかような悪音響は演奏に差し支えるようです。

 拙宅ではオーディオと同時に演奏も念頭に置いていましたので、この傾斜天井にして、天井からの返りを重視したというわけです。ポイントは設計段階では、壁と天井の形状の吟味となりますし、後から調整となれば、拡散板等音響板の設置場所と音響板の角度等の形状で定在波フラッターエコーを押さえ、残響特性から不適切な残響周波数帯に適切な吸音材を設置することに尽きるようです。

 我々はそれを見栄えよく、時には衝立様に見立てたり、本棚のような拡散を兼ねるものを、時には吸音材を天井コーナー等に布を巻くなどして見栄え良く設置するのが腕の見せ所でしょうか。

 やれ機器や端子の材質がとか言ったところで、耳に入っているオーディオからの楽音の半分以上は部屋の反射した残響音である以上、できれば我々も、オーディオ店等プロとなれば当然身につけておかなければならない知識のはずですが、実際にはこの辺を指摘してくれるプロが少ないようです。
ハセヒロMM141S 樽SP+JORDAN JX92S

 サブシステムのフルレンジ2つです。
 一つは雑談の部屋のとおり、JORDAN JX92S+サンバレー サントリーモルトウイスキー樽木のリアバスレフのものです。JX92Sの特性は以下のようで、ワイドレンジユニットです。
 ボックスはキット屋経由で村瀬さんに特注で作ってもらいました。箱内には戸澤式レゾネーターミニを入れてあります。響きの調整をこれでできますし、ユニットをはずして入れるだけですので、もし音をもう少し締めたいといった向きには有用な対策です。

 ユニットは昔の新規導入1に前のボックスの写真があります。箱のエージングにはある程度の時間を要して、きちんと鳴り出すのに2ヶ月はかかりました。ユニット口径は12センチですので、大きさがイメージしやすいかと大変コンパクトなシステムでありますが、リアバスレフと相まって、聴感上の低域もさほどの不足がありません。パワーは入りますけど、小音量での近接試聴がいい感じです。

 後付けのガルネリ+サブウーハー+スーパーツイーターの複雑なシステムからJORDANのこのフルレンジシステムに切り替えても、違和感が皆無なほど、15ヘルツ~100Kヘルツまでのソナス・ガルネリを中心としたシステムが調整できたことも嬉しく思います。

 JORDAN JX92Sと特注BOXのシステムとSV-501SE+WE300A・RTC6BM8シングルアンプさえあれば、別段音楽を堪能するには不自由はないというのが実感です。

 オーディオマニアゆえ、音響の迫力は捨てがたく、普段はガルネリを中心としたシステムやWE4181+JBLホーンで、深夜早朝等の小音量、仕事場のBGMではフルレンジが大活躍しております。

 もうひとつは、DIY AUDIOの80AMGにハセヒロのバックロードホーン141MMです。こちらはロック、歌謡曲専用です。歌謡曲やいにしえのフォーク、ニューミュージックの類は、大きなシステムよりこちらの方が楽曲を捉えやすいです。そもそも大型システムではなく、小型システムを中心に置いてレコーディング・マスタリングされているからでしょう。
 
 現在の機器です。前と変わったところは、一番はSV-353が別室も含めて2台加わり、楽器を持ち替えるように自在にアンプ・SPを切り替えできるようになったのが大きいです。

 アンプとSPにはそれぞれ得意とする表現がありますね。振り返ると、手持ちのSP、アンプ等によって無意識にも聴取ジャンルが限定されていたことが今になるとよく感じます。よく鳴るものは気持ちがいいけど、そうでないものは聞いていて今ひとつとなって、知らぬ間にトレーやターンテーブルから離れていたようなことがありました。拙宅では欠かせない機器となりました。

 音質上の劣化もなく、ケーブルの違いもわかります。2年にわたって大橋さんに企画提案しつづけ、これを実現化したキット屋さん、アドバンスさんには頭が下がります。

 フェアで是非パワーアンプの切り替え時にはSPに繋がっていないパワーアンプにはダミー抵抗をとお願いしたのも実現していただきました。50万位のセレクターもありますが、世界でもかようなダミー抵抗付のセレクターは見たこともありません。


 プリアンプがマランツ#7Cのほか、管球王国35号で紹介された大西正隆氏設計 ライントランス付12AU7 6CG7プッシュプルのHK-6が増えました。
CDトランスポートはESOTERIC P-0Sが、SACD用にSHANLING CD-T200が増えています。音場感はSACDの方が広がるようです。

 インターコネクトケーブルは プリからSV353へONの銀、プラチナ、金各単線のリッツ構造のものを(緻密な音)、353からSV501SEにはQEDのQUNEX SS/1.0mを、WE300Bプッシュプルには QUNEX4S-1Mを、スピーカーケーブルにもQEDのSA-Kを用いています。ONとQEDにはある種対照的な音調の違いがありました。それぞれの特徴を生かすよう試行錯誤しました。QEDの音調は音質は広がり感があって艶があり繊細な感じがしました。ONのように緻密でハイスピードな感じはありませんが、女性ボーカルの色艶も伝わり、バロック音楽に限ってはぴったりはまります。特にヨーロッパのシステムユーザーにはお薦めです。 

 壁コンセントをふつうのものからAET(高解像度)とPS AUDIO(ピラミッドバランスのどっしりした感じ)に交換しました。電源ケーブルをACROLINK 6N-PC4023(すっきりした感じ)とPAD(高解像度)、電源タップをCSEのアイソレーション・コンセントICG60(機器間のノイズ遮断効果が抜群でアイソレーショントランスを使わなくなった)あたりが増えています。

 拙宅ではこのあたりの電源系の交換で音の見通しがよくなり全体的な聴感上のS/Nが上がりました。デジタルケーブルでも音のわずかなニュアンスまで変わるところが不思議なところです。

 アコースティック・リバイヴのDSIX 1.0とWBT0108 RCAプラグにフジクラのメーター数百円のアンテナケーブルを使った知り合い製作ものを使用しています。リバイヴの方は、よく言えばメリハリが強くなりました。自作デジタルケーブルはふわっとした広がりを感じます。こういったアクセサリーも音のニュアンス、出方に影響があるとなるとその選択も侮れません。オーディオ仲間でケーブルを持ち寄っての比較試聴が有用でした。昔はケーブルには懐疑的でしたが、システムの質が上がっていくとこの違いが感じられるようになりました。違うとなるとあれこれ吟味が必要となりました。

 実際に試聴する場合には、オーディオ仲間どおしでの持ち寄り試聴のほか、秋葉原のオーディオユニオンお茶の水店かテレオン110に行きます。もちろん機器らのチョイスとセッティング、ルームチューンなどの使いこなしが一番大事です。その上でケーブル吟味となるのでしょう。何をやっても変わるのがオーディオですね。


和室8畳
イメージ 2

 現状の和室8畳です。ここでもSV353は大活躍です。
 SPはアコースティックラボ・ボレロをAdtのしっかりしたスピーカースタンドに乗せてフリースタンディングさせました。俄然音場感がよく出るようになりました。その他はJBL4301です。
 主としてクラシック等はボレロで、ポップス、ロック、JAZZを4301で聞いています。アンプはプリがSV-3マーク2 アドバンスHC-2(柔らかい音) エレキット870 大西正隆2A3パラシングル(タイトでハイエナジー)で、ジャンルや気分によって353でSPとアンプの組み合わせを切り替えます。


洋室8畳
 主に伴侶が使っている部屋です。
 はんだごてを握ったこともない伴侶がはじめて作ったJB-300BをエレキットのTU875プリアンプを使って、タンノイ・サンドリンガムに入れています。
サンドリンガムはスターリングとも違って、ユニットのコーン紙に高分子化合物を使っていることと小さめの口径から、POPS JAZZも歯切れ良く馴らします。
 JB-300Bのヴォイシングでの輝かしい響きとよく適合しています。
 ときどきタンノイを聞きたくなったら、この部屋に行きます。

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