過日、ダイナミックオーディオ5555最上階 川又ルームで開催された表記試聴会がスペンドールSP200とアマティー・オマージュトラディションと比較試聴した午前に引き続き午後に開催。
手前左の2ウェイがガルネリ、真ん中の1番大きいのがアマティ、右がセラフィーノです。
3シリーズのそれぞれの天板です。美しいです!
オマージュシリーズの最初期のガルネリ・オマージュを使ってきた立場から興味深く参加させていただきました。
ダイナミック・オーディオ5555で聴いたガルネリ・オマージュに夫婦で感動して導入してから10年以上使い続けた立場からです。
弦楽四重奏向きとされたガルネリ・オマージュからパルシブさも要求されるピアノ、ロックのミュートされたバスドラム 打ち込み系のさらにパルシブな低音らの正確な再生に苦労してきました。
一つにはプレーヤーからアンプあれこれ、もう一つはガルネリ・オマージュのバスレフポートに布をあえて詰めて低域をダンプするetc。
それがStealth Ultraflexというポートチューニングが施されたガルネリ・トラディションからは苦もなく正確な低音表現が得られていました。
ややリアのスリットから背圧を抜く意味でルーメンホワイトのそれに似ていなくもないですが、目を凝らすとスリットにはフェルトが貼られていました。
こちらはアマティ・トラディションの背面のStealth Ultraflex
店長川又さんからの解説によると、かねてからの筒バスレフポートの機器では絶対にこの着ぶくれしない低音は得られない。
もはやバスレフタイプの低音を想像するとまったく違う。
3.5ウェイとして二つのウーハーのうち1個を80Hz以下のみ受け持たせる構成の理由は、このウーハーにバスレフ低音増強役割を持たせている。
となると、後ろのスリットはもはや背圧抜きの意味が大きいのかもしれません。
端子は3つともバイアンプも想定されているのは現用ガルネリ・オマージュと同様です。
音楽ジャンルや楽器 演奏などに限定されないマルチユースなスピーカーに生まれ変わっていました。
苦労するまでもなく、曖昧さのない低音 着ぶくれしない低音 尾を引かない ボン付かない低音に支えられて、ミッド ハイともリミットを感じません。
セラフィーノ、アマティとガルネリの比較は、スケール感、音数の違いに尽きました。
どれからもスピーカーの存在は消えて四方八方に音が散りばめられました。
3つの中でもAmatiの完成度が際立っていました。
低音の違いのせいか、高音の透明感もアマティが頭一つ抜きんでています。
奇しくも同じく今年リリースされたB&W 800D3といい勝負、いや勝る部分も。
しかもB&Wのフラッグシップ 800D3より90万も安いのもいいですね!
面白かったのがロドリーゴ・レアン&ヴォックス・アンサンブルの「アヴェ・ムンディ」の聴き比べ。
川又さんが最初に流したのはSACD盤でもオリジナル盤でもなく、アルバムimageのCD盤から。
皆さんご存知の名盤imageというとSACD盤が有名。
でも「ドリーゴ・レアン&ヴォックス・アンサンブル「アヴェ・ムンディ」を聴くのならimageのCD盤に限るそうです。
結論を言ってしまうとCDよりSACD盤が当然音質は良い。
しかし、それ以前に人の手が加わってマスタリングが変わってしまえば別物になる。
という主旨を川又さんは解説された。
この曲はimageのCD盤の方が音圧&鮮烈さでSACD盤に勝る。
どれも完成度が素晴らしく、午前中に比較したスペンドールともども、スピーカーにおいても確実に前進していること、フランコ・セルブリンがいなくなっても、ソナスファベールから未来志向のかようなスピーカーが生み出されたことがうれしくなりました。
自分がガルネリ・オマージュで格闘して苦労して得られたヴァイオリンや弦楽器が得意なSonusfaberというイメージを払拭させる、ドラムとウッドベースのスリリングで迫力満点の選曲も大胆なボリュームで鳴らすトラディションシリーズ 是非どこかで聴いていただきたい久しぶりに感動できたスピーカーです。
アマティ・オマージュトラディションを新音楽室に迎えたらと夢想がスタートしています。