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Channel: ゴルゴ平蔵のブログ
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2004年にWE300A真空管を入手するまで

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引き続き2003年~2005年頃の大昔のオーディオ店掲示板への投稿魚拓より

300Bオールド球を挿してみて

 300Bオールドを購入するにあたり、貴重な体験をしました。
エイフルさんというお店で各種年代のWE300Bを比較試聴しました。

具体的には、古い順に300A,刻印(初期)、刻印(後期)オールド(1940年代)、74年製、97年製(再生産品)です。

音は確かに違いました。といっても、変化の量としてはわずかであったことも申し添えます。

オーディオではケーブル選びではありませんが、オーディオではこのわずかの違いを大変な問題とされる場合もありますが、個々の価値観でしょう。

個人的な好きずきでは300Aが一番ということになります。楽音の厚みのある出方と、エネルギーバランスが綺麗なピラミッドバランスを描いていること、出方と音場の深さのような観点からです。

 しかし、例えば前期2本といったペアが揃わず、揃っても市場の流通量の少なさからも大変な額になることもやむを得ない事実です。私の資力では全てのアンプにオールドとなると手が出ません。軽く100万円は球代で消えてしまいます。

これらのほかに私の手持ちの年代の記載なし(40年代)
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年代(3桁)の記載あり(40年代)、
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53年製、56年製、57年製、58年製、59年製があります。
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ピラミッドバランスの、力強い、奥行きが感じられるものがオールドに次いで多いからに他なりません。

もちろんさらに好みのオールドで揃えたいところですが、ペア取りと価格がネックになっています。

それぞれの良さは別にして、まがいものも全くないわけではありません。その見分け方の一例です。

300A:いうまでもなく刻印ベース。ゲッターは丸い玉が二つ、子供の頃に遊んだカチカチ球のように付いている電極を支持する上部の3カ所のマイカはストレート。

刻印(初期)、上同

刻印(後期)、マイカは同じ。ゲッターは円盤状のもの

40年代オールド(写真3点)上同

53年製以降58年製まで(写真2点)

 手持ちの関係でも全ての年代が揃っているわけではないので、どの年代でゲッターが変更されたのかは不明であるが、マイカは同じものの、ゲッターが四角い針金状

59年製から97年再生産品(写真3点) ゲッターは上同の四角のもの、マイカは楕円状となる。

なお53年製以降の写真に番号4桁が見えます。

番号がないもの この番号がないもの(写真左)と3桁のもの(写真右)は40年代製と言われています。

ないものは、3桁のものより古いとされていますが、いつの時点で番号が振られるようになったのかは知りません。

3桁のものは事務所のHC-1や音楽室のシングルに挿してあります。

ないものは501SEに挿してあります。4桁の見方については、写真については上2桁の「58」からこれが58年製であることがわかります。
 
 探していた300Aがようやく手に入りました。
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世界は広いもので、アメリカのコレクターが後8本お持ちだそうです。

写真のとおり、天頂部分のマイカが300Bや300A後期のような三角おむすびマイカではなく、楕円形です。しかも3つ支持するサイドマイカはありません。

ゲッターはご覧のとおりたっぷり飛んでいます。ファラメントのステーが300Bより凝った造りとなっています。

 ガラスの造りも、300Bよりいいようで、鏡の表面のようです。音はWE205Dを聴いたときのような、すっきりとした明晰な音です。  501SEには球毎にバイアス調整が可能ですので、特性が必ずしも揃っていない300Aを挿すときには便利です。
 
 300Bオールドのゲッターの写真です。(写真左) ゲッターリングの太さがこのように違います。
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 WE300Bの99××番号の再生産品のゲッターは四角ではなくてリング状になっています。刻印後期・40年代オールドのリングとの違いはその太さです。再生産のものはリングの太さは1ミリに満たないものですけど、オールドは1ミリ位はあります。

 なお501SEの前段の6BM8はムラードを挿しています。
 近時出回っているムラードはEiと内部は同じもので、東欧製ですのでご注意ください。
 ムラードと組み合わせますと、明晰でありながら、懐の深い厚みのある音がします。ただガルネリには、フランスのRTCの方が力感がある点で合いました。
 300Aは大変高価ですので、よほどの300B(A)コレクターでない限り、積極的にはお勧めはいたしません。 
ゆくゆくは205Dトランスドライブの300Aなどにもチャレンジして見たいです。


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