引き続きオーディオ店に寄せた一文より
ここに出てくる機器はすべて今はもう手放しています・・・・
高域のハイルドライバーの音に魅せられて、ELAC 310JUBLEEを買いました。
音場表現にも優れる現代SPです。
ご覧のとおり、パイオニアPE16の上にスパイクインシュレーターの3点支持で設置しました。
くつろぎ室の各スピーカーの中で、最も高域の音色数が多彩です。リボンツイーターをさらに力強くしたような独特の高域です。
リアバスレフなので、壁から50センチ以上離さないと、低域のフォーカスが落ちます。
低域はご覧のとおりの11センチ強口径のものですので、限界があります。
個人的には、こういった高域の繊細なものは、今はなきVT25やSV-2などのトリウムタングステン球で鳴らした方がさらに良いように思います。
501SEを310JUBLEEと組み合わせて、今日もシンバルワークに優れたビルエバンス、ワルツ フォー デビーとハービーハンコック 処女航海を聴いています。
低域の制動が問題になると思いますが、これはあまり感じません。感心しているのは、よくオーディオ好きの間で、ビルエバンスのその盤で、ライブでの観客席で氷の溶ける音が聞こえるかといったことが話題になります。
溶ける音というか、マドラーでかき混ぜたり、グラスを回して氷どおしがぶつかったり、ヒビが入ったりしている音と思いますが、本当によく聞き取れるのですね。さらにここまで録音されていたのかと何10回となく聴いた盤を聴き直しています。
501SEの微細、最小な音をも実体感を持って出力させる能力も相まって聞き惚れています。
失礼ながら、よくあの普通の部品の組み合わせでここまで完成させたことに敬意を表します。
回路図を見ても、保護回路等複雑で、到底自作する意欲は起きません(笑)
合わせて、SV-3-2もこういった音もよくスルーし、トーンコントロールをソフト毎に弄っていますけど、その回路が微細な音をネグルこともありません。
処女航海もアンソニーウェリアムスが微妙なシンバルワークで、航海の出発から帰港まで表現していますけど、これもまたよく聴き取れる。
タンノイの方からは、カンカン鳴る悪いスピーカーの代表としてELACが取り上げられているようですが、私のような聴き方ですと、このハイルドライバーが耳ざわりな音がせず、むしろ繊細でダイナミックな長所が生きます。例えば前記ビルエバンスでは、会場の雰囲気の表現等に生きる感じもしているのです。
演奏者は本当に微妙な弾き方の変化、叩き方の位置、強弱等で色数が多い表現をされますが、それをできるだけ聴き取りたい、使われている楽器の音色を正しく聴きたいといった目的でELACを取り揃えました。
同じく、2A3シングルは結局球を40年代のシルバニア刻印のバネ吊りと初段6SL7、前段6SN7をイギリスSTCのものにして落ち着きました。結局、RCAは整流管のみです。
こちらもエネルギー感は薄まるものの、高域の微妙な表現、例えば、バイオリンの弓の角度がわずかに変わったり、体を揺すったり、またドラマーはシンバルの叩く箇所を微妙に替えて、アドリブ表現している姿もよく見えます。
なお、トーンコントロール付のSV3ver2の導入に伴って、BASS増強装置等音質コントロール機能のあるポータブルCDプレーヤー等は必要がなくなりました。
そこで、CDは倉庫で眠っていたパイオニアCDチェンジャーのPD-F25の光出力を最近出番のなかったアキュフェーズDAコンバーターDC81Lに繋いでSV3に入れています。
合わせて、DATデッキはパイオニアハイサンプリングデッキD-05、2台を事務所と寝室+くつろぎ室に、MDデッキはソニーのMDS-JE780を入れました。
ポータブルものより、確実に質的向上が図れました。しかし、アキュフェーズは別にして、この手のメーカーコンポ、中を開ければスカスカです。もう少しSV3シリーズ位の幅にならないでしょうかねえ。小粋に音楽を楽しむ部屋の予定がすっかり、マニア然とした風景になってしまって。