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Channel: ゴルゴ平蔵のブログ
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伊藤喜多男さんのアンプ~Western Electricアンプの思い出

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拙宅にて。

伊藤喜多男さんのWE252A真空管アンプ。
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この売ってしまったWE755Aフルレンジに繋いで聴いた。
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ウエスタンのよかったころに東洋ウエストレックスで技術をされていた方で、音響道中膝栗毛などの名著がある。 

WE91 86がウエスタンの末期とのご感想で、KSナンバーのマッキンOEMらのアンプやジェームス・B・ランシング・サウンド社(JBLの前身)にOEMさせたドライバー(375同等)T-530Aあたりから口数が少なくなる。

さらにマルチチャンネル化でWE555系ホーンでは大きすぎて交換されるようになった昨日の一連の著作内でもALTEC機器への言及は哀しさとして語られている。

WEがアメリカ政府によって解体され、ローコスト化 大量生産化されたALTECは見たくなかったものと思われる。 

孤独を愛し、食べ物は職人レベルの一流品のみ愛された方だ。 
本でも一切ウエスタンアンプは薦めていない。 

Western Electricアンプでもオリジナル指定パーツ、指定ハーネス方法以外で補修したものは、もはや別物で価値もなしと書かれている。 

車で言えば、ヴィンテージフェラーリのようなものか。

さらにこのWE16Aホーンに繋いでみた。
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WE-252A出力真空管用にバイアス抵抗が交換してはあるが、立派な音であった。 
手綱を締めたように鳴った。 
トランスは米国のトライアッド社 これもそんな傾向のトランスだ。 
晩年のWEからトランスOEMも受けていたメーカー。 

プリアンプも超一流のWESTREXのミキサーの2ch分だけに、申し分のないものだ。 

さらに2台で500万であったか1000万であったか韓国の好事家の元に旅立つべく整備中のWE59アンプで聞かせていただく。 
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真空管は水銀整流管にWE252Aというこれまた名球。 

馬鹿でかい映画館やコンサートホールの末席まで、はっきりと音声・音楽らを明晰に届けるためのシステム。 
根本の555の右はウエスタンではないのは残念。 
JENSENかどちらのだろうか? 

ただホーンだけで150キロ、400万はする。 
だいたい普通のうちの玄関から入れることは困難だろう。 

なお、これは熱海から出た。故人のものだ。 
おそらくこれも中国に旅立つのだろう。 
アメリカ→日沈む国経由、昇り龍の国へ。 

このこのWE300Bプッシュプルの86アンプなどいかにローコストになってしまったかがわかる、ウエスタンのオールドアンプも、香港に旅立ちのメンテ中だ。 
845プッシュプルでも使えるが、本来はWE284D出力真空管を用いる。 
ALTECサービスになってからRCA845が挿されるという堕落の道をたどった。 
戦前にしてこのトランスは、日本では製造すらできなかった。 

だいたい出力インピーダンスは1.8オームまで可能だから、現代の低インピーダンススピーカーだって駆動できないことはない。 


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